NUMB3RSという海外ドラマ

 ずっと好きだったドラマが終わってしまったので、いろいろ思うところをダラだ長く書く予定。なので、興味ある方だけどうぞ。



NUMB3RS


 アメリカの犯罪ドラマの一つで、天才数学者の弟と敏腕FBI捜査官の兄が、様々な事件を解決していくお話です。タイトルはナンバーズ、つまり数字。と言っても、数学が万能と言うよりも、それを捜査の手段に盛り込むことで、いかに効率よく犯人を捕まえるかといった感じです。非常に高度な応用数理や物理学、統計学、ゲーム理論とか、心理学なども出てくるので、人を選ぶかもしれませんね。ただ、そういった犯罪解決以上に人間ドラマが秀逸です。特に、兄弟と家族の描き方がとても、温かいw。

 犯罪事件の解決方法が少し変わっていて面白いのはもちろんなんですが、とにかく個性的な登場人物がこのドラマの魅力とも言えます。主人公の兄弟は、一般的ななんでもできるヒーロー像とかけ離れた、いかにも不器用で人間臭い、弱さを抱えています。兄は天才の弟のことを今でこそ一緒に事件を解決しているが、その存在をあまり快く思えない部分を抱えており、弟はそんな兄に少しでも認めてもらおうと努力をします。そんなお互い大人になりきれない息子たちを静かに見守り、時にはしっかりと叱咤する父親。彼らを取り巻く人間たちも、そんな家族と深く関わっていくことになります。

 僕がこのドラマで一番好きなのは、各回のエンディングです。一般的なドラマだと犯罪事件が終わると、たいていはそのままストーリーも終了するのですが、このドラマは最後にかならずといっていいほど家族の時間が描かれます。これがなんとも救いになっていて、ほっとしてドラマを見終わることができます。そして、音楽もいい。Nine Inch Nailsのチャーリー・クローサーがやっているんですが、数学をテーマにしているだけあって、スピード感のある楽曲が多いんですが、僕の大好物系の音が盛りだくさん。リ・ジェネシスの音楽の次くらいに好きかもしれない。
 余談ですが、主人公を演じるデビッド・クラムホルツがリアルに自分の年齢とカブるw。フリンジのジョシュア・ジャクソンも然り。さらに、アメリカのドラマでは珍しく、主人公を含め登場人物のほとんどが、6フィートアンダー(180cm以下)なんですね。みんな身長が低い。お兄ちゃんのドン・エプス役をしているロブ・モローも、背の高いゲストスターと絡むシーンなんか頭ひとつぐらい身長差があって、笑っちゃダメだけど微笑ましい。

  脇役のチョイスがすごくって、3人ほど紹介。まずラリー・フライハート教授役のピーター・マクニコルです。オリジナルも凄まじいですが、吹き替えを石丸博也氏がやっているもんだから、アドリブなのかセリフなのかよくわからないのがいっぱいです。宇宙物理学者がみんなこんな変わり者だとは思わないけれど、言動と行動がすごい破壊力です。
 そして、シーズン2から加わるみんなのガチムチ、コルビー・グレンジャー演じるディラン・ブルーノは、デッドゾーンでお馴染みクリス・ブルーノの弟なんですが、なんと2エピソードほどこのドラマでも共演しております。兄も負けずのガチムチなんですが、仲いい兄弟だw。役どころはまんま筋肉担当ですが、ディラン自身は大学で工業数理を取っていて、主人公のデビッドよりもそちらの世界には造詣があるらしい。
 最後は、何と言ってもアミタ・ラマヌジャン博士役のナヴィ・ラワット。最初は、主人チャーリーのアシスタントだったんだけど、途中で卒業後教授になってしまうという、チャーリーを凌ぐ天才少女っぷりです。ややパソオタだったり、時々怖いこと言ったりします。しかもありえないほどの美人。これこそドラマだけの世界。現実にはありえない話。

 ゲストもすごいです。今をときめくジョセフ・ゴードン=レヴィットが出てきたり、チャーリーの良きライバル的ポジションとしてトム・ハンクスの息子、コリン・ハンクスなどなど。あと、僕らのB級SFスター(←失礼)ルー・ダイアモンド・フィリップスまで。エクゼクティブプロデューサーがトニー&リドリー・スコット兄弟ってのも大きいかもw。

 このドラマは、役者同士の関係が非常に親密だそうで、レンタルで全部見たんですが、最終巻の特典映像を見るとよくわかります。みんなどれだけNUMB3RSを愛していたか、ドラマ本編よりも泣けますw。特典映像のインタビューで役者がやたらドラマを褒めちぎるのは良くありますが、そういった類のものではなく、本当に親しい家族のような間柄だったそうで。たしかに、そういう雰囲気はドラマからも伝わってきます。6年もずっと一緒に働いていたら、最後はそりゃ寂しいよね(涙)。

  海外ドラマはたくさん見てきたけれど、リアルに兄弟とか家族とかのことを考えながら見たのはこれが初めてかも。これは作り物なので、現実はドラマのようにうまくいかないけれど、僕にとって素敵だなぁと思える、憧れる人間関係がこのドラマにはありました。



 

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